1. 道路を渡るには・・・ 〜上海の交通事情〜
上海に初めて来た頃、一番怖く感じたことは、車の行き来が激しい交差点を渡ることでした。信号が赤にもかかわらず突進してくる車。それをうまくかわしながら、渡っていく人々。自分一人でさえおろおろして渡るのに時間がかかったのに、もしこれがお年寄りや子供を連れていたら、と考えると心臓が止まる思いがしました。
しばらく住んでみて、ようやく安全に道路を渡るのにはコツがあるのだということが分かりました。日本では地域や学校などで交通安全教室が開かれ、手を上げれば車が止まってくれるものだという先入観がありますが、ここ上海ではそれは通用しないのです。ここは臨機応変、国に合わせてどんな方法が一番安全なのかを、確認しておく必要があります。それには、まず自分で歩いてみるのが一番の解決法でしょう。
私が最初にしたのは、地元の人がどうやって渡るか観察して、彼らの後ろにくっついて渡っていくこと。ちっとも渡れなかった私には、この方法が一番良かったです。そうしていく中で、渡る際には絶対に走ってはいけないというポイントを見つけました。
上海の車の運転は一般的に荒く、人の歩行の速さを見ながらやってくるので、急にスピードを変えて走ってこられるのが一番危険なようです。逆に言えば、運転者は結構歩行者の出方を見ていると言えますが、用心をすることに越したことはありません。特に雨の日は、傘をさしているし視界も悪いので注意したいところです。
ここ上海では、もし交通事故が起きた場合、車より歩行者が悪いという観念があるらしく、ぶつかった相手に文句を言っている運転手の姿を何度か見たことがあります。ある日タクシーに乗っていると、どんぶりに入った麺を持ちながら自転車に乗って道路を横切るおばさんがいました。おばさんは反対方向から来たタクシーとぶつかって転倒してしまいました。かなり激しい通りで、しかも片手が不安定な状態で渡るなんて日本では考えられませんが、こういうことがここでは結構よくあるのです。
私の乗っていたタクシーの運転手もそれを見て苦笑していました。そんなにたいしたことはなさそうだったので良かったのですが、歩行者が全く左右を見ないで道路を渡るのは日常茶飯事なので、運転者側も大変です。そして他の歩行者達は、事故が起きると野次馬のように集まるばかりで、助けようとする人もおらず、怪我をしていても病院に連絡するという気配がないのが恐ろしいことです。その上、救急車が来ても、日本のように他の車が道を譲る場面は見られず、むしろタクシーの方が早いのではないかと思われる状況です。
そんな現状なので、事故に遭わないように気をつけるのは当たり前ですが、もし遭ってしまった時の為に、カバンの中には常に緊急の連絡先を書いたカードを収めておくことをお勧めします。中国語ができる人が連絡先にいればなおさら良いでしょう。子供さんがいる場合は大人が手をつないでしっかりサポートをするのをお忘れなく。
なお、こちらでは右折は信号が赤でもできるようなので、道路を渡る際には細心の注意を払いましょう。
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